着物に初めて袖を通す場合、だいたいの方は、その着物はお父さんの物であったり、お爺さんの物であったりすると思います。「最初の着物が自分のために呉服屋で仕立てた着物だ」という方は、ほとんどいらっしゃらないように思えます(そういう方は羨ましいですね)。また、手軽に、もしくは安価で着物を手に入れたい場合は、リサイクル着物や既製の着物を購入するケースがほとんどだと思います。これらの場合、着物は既に仕立て上がっているものであり、その着物が本当に自分の体型にあっているか、既製の場合にはどのサイズ、どの寸法の物を選んで良いのか、着物選びの段階で知らなくてはいけません。
では、どういうサイズ・寸法の着物を選べば良いか。着物は、「裄丈(袖の長さ)」と「着丈」に注目して、現在多くの方がネットや店頭で着物を選んでいるようです。中でも、一般的には「着丈」の方が重視されるようで、今回は、この「着丈」について書いていこうと思います。
着丈の適正は「帯をしめた状態で裾がくるぶしがちょうど隠すくらいの長さ」と言われることが多いのですが、全部の着物を試着したり、ネットで着物を購入する場合は試着することは不可能なので、自分の着丈の適正寸法を知っておいた方が良いです。一般的に、
着丈の適正寸法は「身長-26~30cm前後」と言われております。なので、気になった着物があれば、そのサイズ表記の着丈(もしくは身丈)を見て、自分の数値と照らし合わせれば良いのです。着丈の数字は、オークションなどでも必ず書いてあるので、是非、自分の適正寸法を覚えておいてください。着物選びの重要な要素になります。
なお私木寺、そこそこ長い間、ファッションの仕事をさせて頂いているのですが、
適正寸法はあくまで一般的に言われている寸法にしかすぎません。ご自身が長めが好きだったり、短めが好きだったり、もしくは、その着物をお召しになるオケージョン(茶会で着るetc)によって、その寸法を変えて必要が出てまいります。着物もファッションの一つです。その着物がお召しになる方ご本人にお似合いであれば、細かいことはさておき、それで良いのではないかと思います。(文/木寺)
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