キモノ姿って、やっぱり歩きにくいです。いくら慣れようが、洋服に比べて、これは避けられない事実です。キモノは何だかんだ言って、ロング・スカート状態であり、袴(ハカマ)を履けば、運動性は増しますが、ただ袴を履くのはひどく面倒くさく、何より袴スタイルは、いかにも「THE・KIMONO」過ぎて、僕はあまり履きたくないです(茶会とかキメるときは、好んで履きますが)。袴を履かないキモノ姿を「着流し(きながし)」と言いますが、多くのキモノ男子も、この着流しスタイルの方が好きなようです。
そこで、キモノ姿を軽快に歩きやすくするべく提案したいのが「地下足袋(じかたび)を履くこと」です。キモノそのものの構造を変えることは私にはできません。せめて歩きにくい雪駄や下駄に手を加えるしかないです。私自身、実は浅草でも商売させて頂いておりまして、浅草にそこそこ訪れる機会が多いのですが、浅草に行く度に必ず見かけるのが、人力車。それで発見したのですが、人力車を引く方(車夫)が履いているのは、足袋を靴にしたもの履いています。これは地下足袋というもので、運動性があり、車夫の方は地下足袋を履いてダッシュしています。ちなみに車夫の他、鳶、お神輿を担ぐ方々も愛用しているので皆さまも見たことがあるはずです。さらに見た目も、写真をご覧いただければ、一目瞭然、キモノ姿にもマッチします。
なお、私は浅草の人力車で有名な時代屋さんの事務所で、この地下足袋を手に入れました。時代屋さんの事務所には附設のショップがあるので、どなたでも手に入れることができます。他にも、お祭り用品屋やネットショップなどでも取扱いがあるので、是非興味を持たれた方は試してみてください。地下足袋にもいろいろ種類がありますが、僕が愛用しているのは「エアー祭足袋 風神」。コハゼが7枚でちょいハイカット、エアークッションがかかと部分に入っており、履き心地は靴とほとんど同じ。そして一番魅力的なのは価格。定価がないのですが、3,4千円もあればご購入いただけます。(文/木寺)
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